お稽古風景③ 吟詠・詩舞(しぶ)寿岳流信濃吟詠会

「詩吟って何だ?」

昭和の詩吟人口は凄まじく、皆さんの周りにも「詩吟をやっていた人」が必ずいます。少し訊いてみるだけで「おばあちゃんが」「親戚の〇〇さんが」という話がぼろぼろ出てくると思います。

実は私も全くの無知。まずは稽古場に突撃です。

場所はなんと、まるも旅館の真向かい。電器屋さんの隣に階段があり、そこを登ったところに稽古場があります。こんな近くに稽古場があったのは知りませんでした。

お稽古を始めたばかりの子どもたちが舞扇の開きかたを教わっているところに遭遇しました。

大人たちが簡単に開いてみせる扇は「グググ…」と力を入れても開きません。頭の中に「?」マークを浮かべているのがかわいい!

ここからは大人のお稽古。ガラリと雰囲気が変わり真剣そのものです。今回はマイクの前に立つ吟詠と舞を舞う詩舞の二人で構成されています。吟詠は迫力の声量で、先ほどまでお話ししていた人とは別人のようです。

吟詠は漢詩や和歌などを詠むので、日本語をとても大切にしています。

そして詩舞。一番の感想は「かっこいい!」でした。そして非常にわかりやすい。

吟詠自体が非常に短いので、余分な部分がないんですね。それは分かりやすさに直結しています。

しかも当日は、吟詠の内容を紙で配ってくれるそうなので、もう心配はありません!難しくないし、面白い!是非、生で体感してください。

松本ジャポニスム、吟詠・詩舞の舞台は、四柱神社12:40〜。時間が非常に短いです!お見逃しなきようご注意ください。

15:00〜のワークショップでは舞扇を使った簡単な舞を体験できます。こちらも色々練っていますのでご参加くださいね!


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長唄・翔英会「あたま山」

長唄は歌舞伎や日本舞踊と共に発展してきた三味線音楽ですが、皆さんが耳にする機会は意外なところにもあります。

それは寄席です。噺家さんが高座に向かって歩いてくるときの出囃子の多くが実は長唄だったりします。古今亭志ん朝「老松」や柳家喜多八の「梅の栄」が好例です。

そんな落語と長唄の関係がより深まってできたのが「ユーモア邦楽・あたま山」です。今回のジャポニスムで聴くことができます。 

         …

元々は変な落語でして、ケチな男がさくらんぼの種を「もったいない」ってんで飲み込んじまった。すると頭のてっぺんに芽が出てくる。男はケチなもんだからこれも「もったいない」とそのままにしておいた。

そのうち頭の上に木が生えて、(元がさくらんぼだっただけに)桜の花が、今を盛りと咲き誇る。噂を聞いた人たちが花見に集まる、ひと儲けしようと茶屋ができる、三味線太鼓で呑めや歌えの大騒ぎ。さすがの男も今度ばかりは「もったいない」とも言っていられない。すっかり頭を抱えこんでしまい、とうとう頭の木を抜くことに。

力まかせに引っこ抜いたら、大きな穴が空いちゃった。痛くも痒くもないからと、そのまんま外を歩いてたら、雨に降られ、水が溜まって池ができた。

噂を聞きつけた人たちが今度は夕涼みに集まりはじめた。舟でも出して涼もうじゃねえか、おっいいね芸者でも呼んでパーッとやろうじゃねえか、てんでどんちゃんどんちゃんやかましくって寝られない。

男はもう耐えられなくなって、自分の頭の池に身投げして、とうとう死んじまったそうで。

上記は落語のあらすじ。とっても不思議な噺ですが、これが長唄になると…。

作詞は安藤鶴夫。「アンツル」の名で知られた昭和の落語評論家です。唄の中の男は独り者ではなく夫婦の物語になっており、最後のシーンは夫婦の心中への物語に発展しています。

さらに常磐津や木遣音頭など遊びがいっぱい入っているうえ、四季も織り込まれており、これは発明であり傑作なのです。

お囃子入りで舞台はより一層華やかになります。お囃子も長唄もいつもと違う表情を見せてくれると思います。これってすごく贅沢ですよ!

長唄・囃子の舞台は四柱神社12:00〜。
「あたま山」の他にも長唄三味線の魅力が伝わる「チンチリレン」など、遊び心たっぷりで皆さんをお迎えします!


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