「お六櫛・へんみ櫛店」

お六櫛。江戸時代の女性の名前がついたこの櫛の由来、有名ですよね。

木曽の旅籠の娘として生まれたお六ちゃん、美しいと評判の看板娘に育ちましたが、何しろひどい頭痛持ち。頭が痛くてどうにもならない。

少しでも良くなるなら、と御嶽大権現に願掛けに出かけました。御嶽山の険しい山道を登り、二十一日の山籠りをやり遂げます。
そして御嶽大権現のお告げを聞くことができました。

「御嶽山の霊地に生えるミネバリの木で櫛を作り、汝の髪を梳くべし」

お六ちゃんは、お告げどおりの櫛を作り、朝に夕に髪を梳り(くしけずり)ました。すると不思議なことに頭の痛みが軽くなり、ついには全快したというのです。

その話を聞いた旅籠の客が「そいつはすげぇ櫛だ」と、お土産に買い求め、そうしてお六櫛は全国に広まっていきました。

話を戻します。

逸見さんの櫛を使っていた時、知り合いの女性が「それお六櫛?」と聞いたので「そうだ」と答えました。

「私も持ってるんだよねー」と鞄から取り出し、言った言葉に驚きました。

「随分前だけど、偏頭痛がひどくて、道の駅で見つけて買ったんだよね。痛くなったらその部分を梳くんだよ。そうすると良くなった気がしてさ。ずっとやってたら治ったよ」

持っていた櫛を見せてもらうと、逸見さんの櫛に間違いなく、二重に驚いてしまいました。
(もちろん彼女個人の感想で、効果を約束するとかそういう話ではありません)

「この櫛のひと、来るよ」と話すと、偏頭痛持ちの友人に贈りたいから買いに行く、と喜んでいました。

逸見さん、櫛がひとつ売れそうです。

へんみ櫛店はワークショップもご用意しています。歯挽き済みの櫛歯を専用の道具で歯先を尖らせていく加工をします。できあがった指櫛は携帯に便利です。汚れてもよい服装でご参加ください。

「指櫛・相細歯作りワークショップ」
所要時間 1時間程度
講師 へんみ櫛店 逸見英隆
対象 中学生以上
当日受付 1名ずつ
参加費 4,400円

参加希望の方は直接ブース(四柱神社前)へお越しください。


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お六櫛、ワークショップ・へんみ櫛店

お六櫛にまつわる江戸の絵草紙を読んだことがあります。ひとつは、山東京伝作・歌川豊国画「於六櫛木曽仇討」これについては舞台も木曽の山の中。もうひとつは、山東京伝作・歌川国貞画「長髢姿蛇柳」、こちらは笄甚五郎と差櫛於六が活躍するお話です。これを町人たちが読んでいたのですから江戸時代にも木曽のお六櫛は人々に知られていたのがよくわかりますね。伝統のお六櫛を作り続ける逸見英隆さん、今回はワークショップも用意してくれます。

へんみ櫛店「指櫛(さしぐし)・細歯(歯間0.7ミリ)作りと櫛歯の試し挽きワークショップ」
歯挽き済みの櫛歯を専用の道具を使って歯先を尖らせていく加工をします。持ち運びに便利な指櫛を作りませんか? 
汚れても良い服装で。
①12:00〜
②14:00〜
(各回1時間程度)
講師 へんみ櫛店 逸見英隆
対象 中学生以上
定員 各回2名
参加費 3800円

ワークショップのご予約は3月28日(月)よりお電話にて受付いたします。
0263-34-6557 工芸の五月企画室
[10:00〜16:00受付/水・土・日 休業]
協力: 工芸の五月実行委員会


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