「地唄とか長唄とか、端唄とか小唄とか、何が何なのかわからない、何が違うんだ!」
ごもっともです。
皆さんが生まれた頃はもう「身近なもの」ではなかったですもんね。(いいや、身近だった!という方はとばしてお読みください)
怒られることは必至ですが、ものすごく端的に説明します。(この他にもいろんな演奏スタイルがありますが、ここではごく簡単に)
地唄(じうた)は、最初の三味線音楽として発展し、その後、箏が加わりました。お箏と三味線の組み合わせが馴染み深いのではないでしょうか。
長唄(ながうた)は歌舞伎とともに成熟した舞台用の音楽です。オペラでいうオーケストラですね。
端唄(はうた)はお座敷で大勢で楽しめる音楽として発展しました。時代劇の宴会のイメージです。
そして小唄(こうた)は端唄の妹的存在です。端唄で盛り上がっていた人が、もっとプライベートな空間で音楽を堪能しようとしたのです。
好きなお方と四畳半さし向かい。声を張り上げる必要もない。三味線も相手にだけ聴こえればいい。だから小唄は撥を使わない、爪弾きなのです。
歌詞の内容もラブソングが多いです。皆が共通して経験する甘くて苦い想いを、洒落た言葉を使って唄っているのに気づいた通人たちは夢中になりました。
江戸の終わり頃に生まれ、昭和に流行のピークを迎えます。
ゴルフ、囲碁、小唄ができなきゃ出世なんてとてもできない、「三(さん)ゴ」は男のたしなみだ、なんてそれはもう大変に流行ったものでした。
季節の移り変わりと心情を、粋な歌詞で唄うこの芸能はもしかしたら地味に見えるかもしれません。ただ、ボディブローのように後から効いてきます。
全ての舞台を観終わって、帰り道で思い出したとき「小唄、良かったな…」なんて思ったら、貴方には通人の才能があります。ぜひその才能を伸ばしていただきたいと思います。
松本ジャポニスム
小唄の出演は13:35〜。お囃子入りでお楽しみください!
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